日私教研からのお知らせ:所長室からのメッセージ

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日私教研からのお知らせ

人生100年時代と学校の役割の変化について

№ 53 (2019年2月)

1800年に33歳程度であった日本人の平均寿命は1900年代に44歳、1950年に61歳を超え、今や人生100年時代と呼ばれるようになりました。
日本の学校教育制度は、ほとんどの人が50歳~60歳で人生を終えることを前提に設計されています。人生のゴールが伸びた現代、概ね20歳位までに学びの期間を終え、後は働くという考え方ではなく、必要に応じて何時でも「学び直し」ができる、いわゆるリカレント教育の重要性が叫ばれるようになったのもその影響だと思われます。
学校は在学中だけでなく、卒業後も求めに応じて学びの場を提供する、社会人である卒業生と在校生が互いに学び合い、その相乗効果で新たな学びの場を形成する、私立学校でなければ出来ない長いスパンの教育を考える時代が来ていると私は思います。

一方、AIの発達は、社会の枠組みを劇的に変化させ、それに伴い学び方も変化しつつあります。長い間日本の基礎教育は「読み・書き・そろばん」、その後「国語・算数・理科・社会」そしてその延長線上に大学受験、乱暴な言い方をすれば、各段階でテストに備え知識を詰め込む、終われば忘れる、そんな繰り返しになっていたと思います。
これからの時代、人間は「AIを作る人」、「AIを使う人」、「AIに使われる人」のどれかに分類されると言われていますが、大まかに言えば「AIに使われる人」にならないためにどうするのか、そうでない人を育てることが学校教育の目標の一つになると私は思います。
この目標を見失っては何のための教育かが見えにくくなってしまうのではないでしょうか。また各校で新学習指導要領への対応を考える時、書かれている文言に縛られ、振り回されることなく、大きな視点で捉えることをおすすめしたいと思います。

東京電機大学の広石先生は講演の中で「施設型学校教育は遠からず崩壊する」と話されました。また、学校不要論を唱える人も増えています。その背景に、学びの形が多様化し、学ぶ場は、従来型の学校でなくとも良いのではないか、ICT等を活用すれば、学びは場所も時間も自分のライフスタイルによって自由に決められるべき、と考える人が増えたのだと思います。
私立学校は前段で述べたような社会のニーズに柔軟な姿勢で対応できる資質を持っています。また人生100年時代に対応できる持続性もあります。その力を活かさなければ時代の流れに取り残され不要論の餌食に・・・・ 

寒風に負けず、顔を上げ、一歩ずつ春に向かって進みたいと思う今日この頃です。

所長 中川武夫

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